今日は、二十四節気のひとつ「小満」です。
秋に撒いた麦が穂をつけて収穫を迎える季節。二十四節気をさらに三分割した七十二候では、「小満」の末候は「麦秋」と呼ばれています。
はじめての梅しごとは梅シロップから
店頭でも初夏らしい色合いの青梅が出回りはじめました。梅を使った保存食づくりは「梅しごと」と呼ばれます。保存食の代表格「梅干し」は平安時代の書物にも掲載されていたそうです。日本人と梅の関係は、遥か昔から続いてきているのですね。
ご自宅で過ごす時間が増えたことからか、手作りの保存食や発酵食品づくりをはじめる方が増えているようです。ひとつひとつきれいに洗ってヘタをとってと、普段はちょっと面倒に感じてしまう梅しごとですが、今年はゆっくり時間をかけて挑戦してみようかな、という方も多いのではないでしょうか。
はじめての梅しごとにおすすめなのは「梅シロップ」づくりです。広口瓶などの保存容器に、下拵えをした青梅と同量の角砂糖を交互に詰めていきます。出はじめの青梅と、6月に入ってからの完熟梅とでは、出来上がりの風味が変わってきます。青梅はさっぱりとした仕上がりがお好みの方におすすめ。
さらに、漬け込む時にホワイトリカーを加えれば、自家製梅酒のできあがりです。お酒の種類をブランデーや焼酎などに変えると、自分なりのアレンジも楽しめます。
保存に使用するガラス瓶などの容器は、事前に洗って煮沸消毒を済ませ、乾燥させておくことが大切です。棚などから久しぶりに取り出すことも多いと思いますので、底や蓋のまわりにも汚れを残さないよう、丁寧に洗ってあげてください。
大きめの瓶洗いなどにおすすめなのは、丸く刈られた先端も使うことができて、すみずみまで洗いやすい棕櫚たわし極〆No.5。細長く握りやすいタイプです。
梅干しづくりといえば「ざる」と「かめ」
せっかくの梅しごと、ただ漬け込んで待つだけでは物足りないという方は、ぜひ梅干しづくりにチャレンジしてみてください。
しっかり完熟した梅を使うことがポイントです。青味が残る場合は、買ってきた後にざるに広げて天日干しをして追熟させましょう。
最後の仕上げの「土用干し」の際も3~4日の間、漬け込んだ梅を天日干しします。その際にも活躍する「ざる」は、梅干しづくりに欠かせないアイテムです。
ざるのお手入れにも棕櫚のたわしが活躍します。しなやかな繊維が、編み込んだ隙間にも入り込んで汚れを落とします。
竹類はもちろん、山葡萄のつるで編み上げたかごなどのお手入れにも愛用されています。素材を傷つけることなく隙間まで洗い上げ、さらに磨き上げる感覚です。
下の3つは側面に縄をかけ、繊維を立ち上げたタイプです。手のひらサイズのNo.2、細身のNo3、いちばん大きいNo.4、それぞれお好みでどうぞ。
もうひとつ、梅干しづくりに欠かせないアイテムといえば、漬け込んだり保存したりする時に使う「瓶(かめ)」。こちらも使用前にはカビなどがつかないように、よく洗って熱湯消毒しておくことをおすすめします。
今はさまざまな材質の瓶が販売されています。中がホーローのものは、ガラス容器と同じく棕櫚たわしでのお手入れをおすすめいたしますが、ざらざらした陶器の場合はかためのパームたわしの出番です。フライパンなど、鉄や鋳物の調理用具にもパームがおすすめ。普段のキッチンでも、棕櫚のたわしと使い分けながら、それぞれの違いを感じていただけたらうれしいです。
パームのたわしといえば、定番の亀の子束子1号に加えて、先端も使えるよりどころ、平らな面も丸みのある面もOKの白いたわしホワイトパーム(小)など、形やサイズもさまざまです。用途にあわせてお好みのたわしをお選びください。